原付で行く東日本縦断5351kmの旅 (5) [終]

東日本縦断旅行もいよいよ最後のエントリーとなります。釧路から3日掛けて、一気に横浜まで辿る帰路です。最後には旅の簡単なまとめをするつもりです。ブログを書き終えるのにかれこれ3ヶ月も掛かってしまいました。(笑)それでも記事を書いていると、つい昨日の事の様に思えてくるので不思議です。

さて13日目のこの日は、電車の旅を終え再びバイクに跨がります。軌跡はこちら。



北海道は釧路から、一日で一気に本州まで移動します。今見てもなかなか凄い移動距離ですね…。(笑)

朝7時頃ホテルを出て、最初に向かったのは釧路で有名な和商市場。ここは修学旅行で来たのをはっきり覚えていました。もちろん来た理由は勝手丼!ご飯を片手に、市場の出店を歩き回って好きな具材を買って丼を作れるシステムです。

入れた具材は、『中トロ、いくら、甘エビ、時知らず、イカ、カンパチ、いわし、ほっけ』の8種類。ほっけのお刺身って初めて食べましたが、美味しかったです!海鮮が大好物な私は朝からご満悦です。(笑)

和商市場を出たのは8時頃でしたが、外に出たとたん大粒の雨が降ってきたため、慌てて雨支度。天気予報を再度確認すると、どうやら昼から夜に掛けてまとまった雨が降る様です。帯広方面に行けば早く着くのは分かっていたのですが、襟裳岬にどうしても行ってみたかったので、覚悟を決めて南西へ向かいます。

釧路を抜け、何も無い道を走り続けます。雨も止まないまま、ネガティブにならないよう無心でひたすら進んでいました。(笑)ところが襟裳岬に近づくにつれ、海岸線の道はもの凄い突風と高波。友人から悪天候の時は道路に波がパシャパシャ乗り上げるような場所だと聞いていたので、まさにそれに近い状態。とても無心ではいられません。(笑)正直高波よりも突風が酷く、あんなに恐い思いをしたのは初めてでした。強風で横に流され対向車線にはみ出るレベルではなく、その場でなぎ倒されるほど風が強かったからです。いつ通行止めになるかと不安になりながら(既にパトロールカーが走っていました)海岸線を抜けると、幸運にも雨脚は少し弱まってきました。

大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。

Cloud Above The Green Land (1920×1200)

曇りは余り好きではないのですが、濃い群青色の雲に緑色の大地、コントラストが綺麗でした。何だか雲が近く感じますね~。異国感の漂う十勝平野を抜けると、いよいよ襟裳岬に到着です!

なんと、襟裳岬だけ晴れていました。これは本当にラッキーです。ちなみに面白い地図があったのでパシャリ。

北海道が真っ逆さま…。襟裳岬が上だから見やすいということもないと思うのですが、なぜこうなっているのでしょうか。(笑)さて、肝心の襟裳岬は、こんな所です!

積丹半島で行けなかった、神威岬と積丹岬に雰囲気が似ていますね~。先端まで緑があって、綺麗でした。やはり襟裳岬より南側だけ、雲が薄く晴れていた様です。

その後北西に進路を変え、フェリーの発着場である苫小牧へと進みます。再び雨雲に入ったのか予想通りしとしと雨に当たりましたが、ひたすら走り続けること5時間。港町、苫小牧に到着しました。辺りは薄暗く、本来ならば宿やキャンプ場へ向かう時間なのですが、この日はフェリー泊の予定だったため、フェリー出航時間の23時59分まで時間に余裕が出来ました。そこで、移動中に何気なく考えていた登別温泉へ行くことに決めました。登別温泉と言えば草津温泉や湯布院温泉に続き日本でも有名な温泉です。少し苫小牧からは距離があるのですが、ナビに目的地をセットして直行!なんだかんだ着いたのは20時頃だったでしょうか。辺りは真っ暗でしたが、日帰り温泉宿へ入りました。

夢元さぎり湯。少し山の奥へ入った温泉地にあります。草津温泉、そして今回の旅行で入った川湯温泉とお気に入りだったのですが、登別温泉もとても良かったです。良い温泉は疲れの取れ方が違います。旅も終盤、非常に良い癒しとなりました。

その後暖まった体を冷やしてはいけないと、厚着をして苫小牧港へ向かいます。街灯の無い幹線道路を走り、港に着いたのは22時半頃。温泉に入るのに往復100km近く寄り道したと考えるとちょっとゾッとしますが、良い思い出になりました。(笑)

お盆の帰省ラッシュと重なり、フェリーに乗船するのに酷く時間が掛かりましたが、バイクも自分も無事に船に乗り込むことができ、この日は眠りにつきました。


明くる14日目。青森から三陸海岸を一気に南下します。軌跡はこちら。

朝起きると、フェリーは到着の1時間前。軽く身支度をして、甲板に出てみました。

船での朝って、生まれて初めてです。たった一日ですが、航海師になった気分でした。(笑)雲が多かったですが、進行方向を見渡すと陸地が見えていました。

ついに本州が見えてきました!少ししか見えないのに、久しぶりの本州に感動。(笑)行きに北海道が見えたときも感動しましたが、故郷に帰ってきたかのような、また違う感動がありました。

入港するのは、青森県の八戸港です。港に着いたのは定刻の朝7時半頃。東北地方の天気予報は、夕方から雨。この日は岩手県の大船渡でキャンプ場の予約までしてあったのですが、雨ということで急遽予定変更。キャンプ場をキャンセルし、ホテルを予約しました。予約したホテルは、宮城県の名取。大船渡よりも150km以上南です。ホテル泊だとテント設営の手間が省け、日が暮れるまで走れるので、行けるところまで行こうと言う算段です。

目的地が決まったところで、早速出発です。この日は昨年発生した東日本大震災の大津波の被災地を走ります。本当ならば被災直後に復興ボランティアとして行きたかったのですが、1年半たった今、現状を確かめに行くこととしました。ルートは通行止めになっているところを迂回して、ひたすら海岸線を走る計画です。久慈、宮古、釜石、大船渡、陸前高田、気仙沼、石巻…ニュースで何度も耳にした街を通りました。道路だけで言えば、車が十分通れるまでに整備されており、瓦礫に関しては見えるところには殆ど無い状態まで片付けられていました。ただ片付けが終わったと言うだけで、建物はまだありません。分譲地だったと思われる基礎建築の枠組みが、生えてきた草木の根元にうっすら見えている所も何カ所かあったので、風景として見ると自然に見えてしまうだけで、被災する前は立派な街があったのかもしれません。中には車を止めて写真を撮っている人も居ましたが、私には地元の方の気持ちを考えるとそれは出来ませんでした。

写真は本当に全然撮っていないのですが、1枚だけ撮影した写真があります。それがこちらです。

大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。

Supreme Blue (1920×1200)

この日は一日曇りだったのですが、この写真を撮ったときだけなぜか空が晴れていました。場所は宮古と釜石の間の海岸線です。写真には写っていませんが、ふと目をやると瓦礫の残骸や津波でなぎ倒された大木があります。そんな被災地の中にも、こんな素敵な景色があります。私は東北の海がこんなに綺麗だとは知りませんでした。これを見て人々が癒され、復興が捗ることを強く祈りました。

その後ホテルへ到着し、床へつきました。寝る前にはその日見た風景を思い出し、色々な事を考えました。そのつもりでなくても野次馬にならないかと不安がありましたが、今では行って良かったと思っています。


さて、いよいよ旅も最終日!15日目の軌跡はこちら。

名取から国道6号を利用して東京方面へ向かいます。ひたすら国道6号を走るつもりが、福島の原子力発電所の事を忘れており、いざ行こうと思えば通行止め…。迂回を余儀なくされました。よくよく考えてみれば、原発は海沿いにあるわけですから、海沿いを走る国道6号を通れるわけはないですよね…。南相馬の辺りから西側へ大きく回り、原発を迂回するように再び国道6号へ合流します。ところが迂回路に入ったとたん、轟音と共に激しい雷雨に遭遇。北海道のそれほどでは無かったですが、かなりの大雨に降られました。結局関東へ戻ってくるまで雨は降り続け、二日連続写真撮影を怠ってしまいました。(笑)流石に1枚も撮らない日は作りたくなかったので、水戸を過ぎた辺りでみるみる形を変えていく夏らしい雲に遭遇したのでパシャリ。

北海道ではあまり見かけなかったのですが、入道雲に横から光が当たり、なんとも幻想的な一コマでした。こうして自宅に着いたのは21時頃。久しぶりの地元に懐かしくて、横浜の夜景を見てから帰りました。(笑)

こうして、長い長い一人旅が幕を閉じました。無事故で帰ってこれたことに感謝です。


最後に、西日本横断の旅と同様、移動距離、燃費を集計しました。

◆東日本縦断の旅 – 移動距離集計

ポイント 発地 着地 移動距離 移動時間 平均時速 天候
1日目 神奈川県横浜市 新潟県新発田市 465.75km 10時間16分53秒 45.3km/h
2日目 新潟県新発田市 秋田県秋田市 449.05km 12時間02分20秒 37.3km/h
3日目 秋田県秋田市 北海道函館市 477.93km 13時間01分11秒 36.7km/h 雨→晴
4日目 北海道函館市 北海道古宇郡 226.13km 7時間38分28秒 29.6km/h 曇→晴
5日目 北海道古宇郡 北海道天塩郡 446.90km 9時間30分52秒 47.0km/h
6日目 北海道天塩郡 北海道礼文郡 348.45km 11時間43分30秒 29.7km/h 曇→晴
7日目 北海道礼文郡 北海道旭川市 379.85km 8時間29分20秒 44.7km/h 曇→雨
8日目 北海道旭川市 北海道河東郡 359.82km 8時間36分05秒 41.8km/h 曇→晴
9日目 北海道河東郡 北海道網走郡 383.37km 9時間13分58秒 41.5km/h
10日目 北海道網走郡 北海道川上郡 308.53km 6時間15分49秒 49.3km/h
11日目 北海道川上郡 北海道釧路市 420.22km 8時間57分56秒 46.9km/h
12日目 北海道釧路市 北海道釧路市 334.95km 9時間50分53秒 34.0km/h
13日目 北海道釧路市 青森県八戸市 846.84km 17時間17分45秒 49.0km/h
14日目 青森県八戸市 宮城県名取市 488.14km 11時間17分47秒 43.2km/h 晴→曇
15日目 宮城県名取市 神奈川県横浜市 460.42km 10時間35分55秒 43.4km/h 雨→曇
合計 6396.35km 154時間48分42秒 41.3km/h 晴50%

バイクでの移動はタイトルの通り5351km(メーター読み)なのに対して、電車や船、徒歩を含む全ての移動では、6396.35kmと、およそ6400kmの長い旅行となりました。移動時間も前回同様休憩などの停止時間は省いた時間ですが、平均しても1日10時間程度と、コンスタントに移動出来たことが6400kmもの移動距離を稼げた要因となったようです。平均速度は西日本横断の旅の時よりは落ちていますが、フェリーや徒歩での移動があったので、こんなものだと思います。

今回はオマケで天候も入れてみました。全体では晴天率50%、北海道では45%と、全体で見ると割と恵まれていたと思います。ただ降るときは、いつも3日分くらいふったのではないかと言うくらい猛烈でしたね。(笑)

さて、続いてバイクの燃費計算です。

◆バイク燃費計算

給油ポイント 走行距離 給油量 燃費 燃料単価 実費 実費燃費
1 福島県南会津郡 224.8km 5.13L 43.8km/L 144円/L 739円 0.30km/円
2 新潟県村上市 259.2km 5.48L 47.3km/L 137円/L 751円 0.35km/円
3 山形県飽海郡 242.9km 5.14L 47.3km/L 137円/L 704円 0.35km/円
4 秋田県北秋田市 252.6km 5.54L 45.6km/L 134円/L 742円 0.34km/円
5 青森県むつ市 201.4km 4.10L 49.1km/L 125円/L 513円 0.39km/円
6 北海道函館市 120.4km 2.99L 40.3km/L 130円/L 388円 0.31km/円
7 北海道古宇郡 179.5km 3.60L 49.9km/L 135円/L 511円 0.35km/円
8 北海道雨竜郡 246.9km 5.60L 44.1km/L 132円/L 738円 0.33km/円
9 北海道稚内市 232.9km 5.48L 42.5km/L 141円/L 772円 0.30km/円
10 北海道稚内市 229.5km 5.18L 44.3km/L 133円/L 688円 0.33km/円
11 北海道中川郡 180.0km 4.00L 45.0km/L 140円/L 560円 0.32km/円
12 北海道旭川市 109.6km 2.46L 44.6km/L 138円/L 339円 0.32km/円
13 北海道上川郡 186.8km 3.64L 51.3km/L 138円/L 502円 0.37km/円
14 北海道河東郡 162.1km 3.61L 44.9km/L 138円/L 498円 0.33km/円
15 北海道紋別市 225.7km 4.85L 46.5km/L 139円/L 673円 0.34km/円
16 北海道網走郡 150.6km 3.00L 50.2km/L 139円/L 417円 0.36km/円
17 北海道標津郡 228.4km 5.23L 43.7km/L 138円/L 721円 0.32km/円
18 北海道川上郡 109.2km 2.50L 43.7km/L 138円/L 345円 0.32km/円
19 北海道川上郡 178.1km 4.12L 43.2km/L 138円/L 569円 0.31km/円
20 北海道釧路市 204.5km 4.38L 46.7km/L 138円/L 604円 0.34km/円
21 北海道様似郡 232.5km 5.55L 41.9km/L 132円/L 733円 0.32km/円
22 北海道苫小牧市 241.8km 5.27L 45.9km/L 133円/L 701円 0.34km/円
23 岩手県釜石市 216.5km 4.25L 50.9km/L 135円/L 574円 0.38km/円
24 宮城県名取市 271.4km 5.57L 48.7km/L 134円/L 746円 0.36km/円
25 茨城県北茨城市 250.8km 5.10L 49.2km/L 135円/L 688円 0.36km/円
25 神奈川県横浜市 213.0km 4.44L 48.0km/L 139円/L 617円 0.35km/円
  合計 5351.1km 116.21L 46.0km/L 136円/L(Av.) 15833円 0.34km/円

殆どの給油が北海道ですね。(笑)データを見てみると面白い事に、西日本縦断3333kmの旅の時と燃費、燃料単価、実費燃費が殆ど変わっていないですね。実は今回は、タイヤをグリップ力の良いものに交換したり、リアボックスを取り付けて積載量が増えたりと、燃費の悪くなる条件だったはずなのですが、北海道の走りやすい道路のお陰かもしれません。

これで東日本縦断の旅はおしまい。とても充実した経験をすることが出来ました。また、西日本横断の旅と合わせて日本一周達成!全県制覇こそまだですが、概ね日本がどんなところなのかを知ることは出来ました。後日、まとめの記事でも書きたいと思います。