原付で行く東日本縦断5351kmの旅 (1)
久しぶりの更新です。実は昨年125cc原付で行った西日本に続き、今年の夏は同じ要領で東日本へ行ってきました!東日本と行っても関東圏からだと殆ど北日本というイメージです。(笑)しかし昨年よりエスカレートして、なんと14泊15日の長旅になりました。(笑)長いので5つ位のエントリーに分けようと思っています。
今回の旅行の趣旨は、
(2) 自然一杯の地でキャンプする
(3) ひたすら走る旅ではなく、写真を撮ったり、出来るだけ自分の足で街を歩いたりする
この3つが大きなところです。前回は自由気ままな無計画旅行というコンセプトもあって、キャンプ道具を持っていたにもかかわらず夜まで走っていてネットカフェで夜を明かすことが多かったですが、今回は長旅で且つ混雑時期のフェリーを利用すると言うこともあって、寝泊まりするところと大まかなルートは全て計画してから行きました。旅程は2012/8/4~2012/8/19の15日間。実際計画を立て始めたのは6月頃からでした。
計画の建て方は簡単。Google Mapsで地図を作成し、行きたいところに片っ端からピンを立てていく。そして出来るだけ行きたいところを通れるルートを考え、寝泊まりするところを第一に考えた上で全体日程に支障のないように仕上げる、と言った感じです。Google Mapsからの出力は、別途作成した1日ごとのルートに出発時刻と到着時刻、立ち寄り地を加えたものをA4用紙に印刷して持って行きました。最終的にはiPhoneのナビへと入力するのですが、あらかじめ全ルートを入れるのは消えてしまったときに困るので、確認の意味も含め前日の夜にテントの中で登録すると言う方法にしました。
と言うわけで前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ出発です!
1日目の軌跡。
今回もGPSによる実走行ルートを載せています。拡大すると細かい部分まで見ることが出来ると思います!今回はバイクに乗っていない時もGPSをONにしているので、拡大すると道の無いところにプロットされている場合もあります。ちなみに初日のスタート地点は適当な場所に設定しました。
さて、初日は日本海へ向かいます。昨年は糸魚川から太平洋側へ帰ってきたので、その少し北側の燕のあたりを狙って北上していきます。特に立ち寄り地はなかったのですが、折角なので秘境とも言われる只見を通って行くルートを選びました。国道4号を北上し大田原の辺りから西へ、国号400号、国号269号と進みます。出発時刻は前よりは遅い3:50AM!(笑)
道中は天気も良く、気持ちの良い山間道路や、青々しい稲が育つ田園地帯が続きました。只見にある田子倉湖へ着いたのは14時前。湖の見えるところでお昼にしました。この日は昼間に山間部を通る事が分かっていたので、お昼ご飯はあらかじめ買っておいたおにぎりです。秋や冬だと絶景で有名な只見ですが、真夏は以外と普通の山でした。是非冬にも来てみたいところです。
お昼休憩をとった後、再び北へ向かいます。道路も走りやすくて15時過ぎには日本海を拝むことが出来ました。その後キャンプ場までひたすら海沿いを北上!新潟空港や新潟競馬場をかすめて、16:50頃目的地の紫雲寺記念公園キャンプ場へ到着しました。キャンプ場の受付が17時までだったので、ギリギリセーフ!
ちなみにキャンプ場はこんな所。今回唯一バイクのオートキャンプが出来る珍しいキャンプ場でした。夕日の見える西向き、そして海辺というロケーション、サイトはちょっと草が伸びてきていましたが、十分な環境です。
写真には写っていませんが、週末と言うこともあって車のオートキャンプは結構賑わっていました。側に温泉があったので、日の暮れぬうちに汗を流し、夕飯の買い出しを済ませ、夕日に備えます。この場所で夕日を見ないのは損ですよね。(笑)…と重々分かっていたものの、疲れた体に温泉が気持ちよすぎて長風呂…海辺に戻ったのは日の入り5分前!太陽は既に水平線へ顔を埋めていました。と言うわけで日の入りの途中から、夕焼けを見ることが出来ました。
大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。
やっぱり海の夕日は綺麗ですね!遮蔽物がないのと、水面に反射する光が格別です。なかなかこういう条件の揃ったキャンプ場は見つからないかもしれません。さて、夕日は刻一刻と変化するものです。実は同じ場所で時間をずらしてもう一枚撮っているのですが、これとは全然色が違いそれもまた幻想的です。もう一枚は写真として後日載せますのでお楽しみに!
写真を撮るのに夢中で既に日が暮れていましたが、夕飯のお時間。付近に食べに行くような場所は見当たらなかったので、インスタントのパスタとサラダをキャンプ場で頂きました。体力的に料理を作るのは厳しいとしても、お湯くらいは沸かせるようにとアウトドアのストーブとコッヘルを用意してあったのですが、初日からお世話になってしまいました。北の方へ行くから暖かいものでも…なんて思っていましたが、暑すぎて寝袋はおろかシャツ1枚でした。(笑)
次の日は朝4時出発予定だったのですが、キャンプ場のゲートが開くのが朝7時と言うことが判明し、ゆっくり6時起きとなりました。翌日のルートを予習して、音楽を聴きながらウトウト。それでも22時くらいには寝てしまいました。こんな早寝(?)は久しぶりです。
夜が明けて2日目。この日の軌跡はこちら。
朝の時間に余裕が出来たので、砂浜で朝ご飯を食べました。海の朝は気持ちが良いです。雲一つ無い快晴で、今日も天気には恵まれそうです。
さて、この日は山形経由で秋田を目指しました。ルートから見ても分かるように、目的地の秋田に対してわざわざ内陸部へ寄り道したのは、山寺へ行きたかったからなんです。そしてお寺へ行くのにはもう一つ理由があって、それはこの先長距離を運転するのに安全祈願をしておきたかったからなのです。
キャンプ場を北に向かって出発、胎内市を過ぎた辺りで米坂線と併走する国道133号で内陸部へと向かいます。山寺へ着いたのは10時頃。思ったより早く着きましたが、何せ予定より遅く出発しているので、急いでお寺の中へ入ります。
山寺は多くの僧侶が修行に向かう有名な場所でもあります。正式には宝珠山立石寺と言います。山寺と言う名の通り、険しい山の傾斜地にあり、奥の院まで1015段の階段を上らなければなりません。時間がないので焦ります。そして、山形は暑いです。予報を見ると最高気温39℃…。正直暑さでクラクラとしていましたが、早歩きで階段を上っていきました。階段は木陰になっているところが多く、思ったよりしんどくはありませんでした。時々周囲が開けると、お寺の建物が目に飛び込んできます。
気がつくと大分上って来ていて、集落が見下ろせました。日本らしい、風情のある風景です!
暑さに悶えながらも、無事に最終目的地の奥の院へ到着!両親への健康祈願と、自分への安全祈願のお守りを購入しました。帰りに少し脇にそれたところにある五大堂(二つ上の写真の場所)へ寄り、下山しました。意外に普通の階段だったなと後々調べてみると、修行を行う険しい山道は他にもあり、一般人は通行禁止となっていたようです。なるほど…!
順番が逆な気もしますが、帰りに名物の力こんにゃく(と、暑すぎてこっそりアイスクリーム・笑)を頂きました。東北らしいしっかりした味付けで、とっても美味しかったです!
もっと食べたかったのですが、時間がないので山寺を後にします。
ルートは、新庄から西へ、最上川沿いに日本海へと再び戻ります。午後になると暑さが更に倍増。道路の温度計が38℃を示していました。つまり路面は40℃を超えていたことになります。いくらバイクで風を切って走っていても、その風が体温以上ではしんどいです。道中暑さで意識が朦朧とすることもあり、こまめに休憩を取ってはいましたが、この旅で一番辛い運転でした。
日本海へ抜け、少し寄り道をして鳥海山へ向かいましたが、山には大きな雲が掛かっていて眺望はほぼゼロでした。こちらはまた晴れたときに来てみたいものです。その後目的地の秋田へ向かいます。実は秋田を目的地にしたのには訳があります。それが竿灯祭りです。偶然にも竿灯祭りの期間中に側を通る事が出来たので、是非行ってみようとキャンプ地を秋田にしました。
今回のキャンプ地は、竿灯祭りのある秋田市内からちょっと離れた太平山リゾート公園にあるキャンプ場。サイトは芝も手入れされており無料と考えるととても綺麗な所です。さて、テントを設営していると、奥の方から60代くらいの小柄なお爺さまがこちらへやってきて話かけられ、世間話となりました。話が好きなのかいつまでたっても終わらず…失礼と思いながらも途中からテントの設営をしながら話をしていました。(笑)しかし色々話しているとなんと2ヶ月もこのキャンプ場で生活しているとか!まさか…と思いましたがそのまさかではなく、健康の為毎日自然の中を歩きたいからと東京から来ているそうです。60を超えてキャンプ生活とは凄い!しかし面白かったのが、山の反対側には奥様がキャンプしていると言うこと。面白い夫婦ですね。(笑)なにやらご当地名物お爺ちゃんと言う感じでした。
色々話したお陰で、竿灯祭りの交通規制の中でもバイクを止められる場所を教えて貰い、時間が押していたにもかかわらず開始時刻に間に合いました。良かった~!こうして始まりました、人生初めての竿灯祭り!
大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。
とにかく初めて見る竿灯はでかいの一言!しかも竹竿で出来ているので、絶妙なしなり具合が不安定感を出し、それが見ていて面白い。不安定な物を、人が一人で支えている、と言うのが見所なのではないでしょうか。しかし調べてみると大きな竿灯は一つ50kgにもなるそうで、それを頭の上や腰などでバランスを取りながら支えているので本当に凄いです。拙いですが、動画を貼っておきます。
マニュアルフォーカス、手ぶれ補正なしのデジカメで夜間撮っているので見づらいですが、雰囲気は伝わると思います。夜空に広がる大きな竿灯、太鼓を叩く子供、地元の一体感、どれをとっても素晴らしく、とても感動しました!また機会があれば是非来てみたいところです。
こうして念願の竿灯祭りを終え、秋田温泉に浸かってキャンプ場へ戻ります。時刻は22時を過ぎていたので、翌日のルート確認だけして急いで就寝です。
東日本縦断旅行3日目。いよいよ本州から離れる時がやってきました。軌跡はこちら。
そうそう、朝一のこと。出発時刻が早いのでこっそりと支度をしていると、名物お爺ちゃんが手作りのおにぎりを用意してくれていて、頂いてしまいました。山の中だし貴重な食料ではないかと思うのですが、本当に感謝感激です!
さて、ルートの方は秋田から内陸部を通って青森の十和田湖の方へ抜けていきます。本当は男鹿半島へ行きたかったのですが、大間からのフェリーの時間が決まっており、これに乗り遅れるわけにはいかないため、万全を期して距離の近いこちらのルートを選択しました。ところがこれが当たりなのか外れなのか、山へ入るやいきなりのスコール。降り出してたった5分程度で、道路は完全な水たまり。こんな大雨バイクでは未経験です。途中そこそこのスピードが出ているところで大きな水たまり(恐らく深さ20cm位)に突っ込んでしまい、危うく転びそうになることもありました。もうバイクも自分も泥まみれで大変でした。(笑)
途中十和田湖や奥入瀬など観光スポットを通ったのですが、雨が酷くて通過…。一応雨具を来ているので大丈夫と言えば大丈夫なのですが、荷物の奥底にある傘を出すのは大変だし、ヘルメットのまま観光は出来ないし(笑)、残念ですが断念しました。
陸奥湾に着いた頃には雨は止んでいたのですが、時間が無いとバイクを走らせます。本当は下北半島の西側にある仏ヶ浦にいく予定だったのですが、海岸線の曲がりくねった道のせいか非常に時間がかかりそうだったので、断念して国道229号を目指して北上することに。しかし国道229号に着いたときには逆に2時間ほど余ってしまいました。(笑)遅れるよりは良いのですが、暇を持てあますのも嫌なので、急遽予定を変更して下北半島を東へ!尻屋崎へ向かいました。
これが正解でした!あれだけの厚い雲が嘘のように晴れていました。海が綺麗!泥まみれの心が癒されました。(笑)
海が綺麗なのは南国のイメージがありますが、そんなことないんですね。北の方でも、海はとても綺麗でした。そして尻屋崎と言えばこれ!
寒立馬(かんだちめ)です。本州のほぼ最北の地に、馬が放牧されているんです。寒さに強い、がっちりした体型の馬ですが、人になれているのか近寄っても逃げずに写真を撮らせてくれます。
大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。
本当に灯台のある海の側にいるので、普通なかなかお目に掛かることの出来ない組み合わせのショットになります。長閑な雰囲気がとても気持ちよかったので、短いですが動画も撮ってみました。
子馬に至ってはポカポカ陽気に眠くなったのか横になって昼寝をしていました。馬も横になって寝るんですね。(笑)
寒立馬に満足したところで、時間が無くなってきたので慌てて西へ、大間へと向かいました。尻屋崎から離れることでまた雲って来ましたが、雨には降られず無事大間へ到着しました。フェリーの出航まで1時間ほどあったので、マグロ丼でも食べようと思っていたのですが、丁度夕方で仕込みの時間だったらしく、どこも閉店中。マグロ丼は諦め、大事に撮ってあったお爺ちゃんのおにぎりを大間崎で食べました。一緒につけてくれたたくあんの古漬けが美味しかったー!(笑)ちなみに大間崎からは北海道が見えました。結構山が連なっているので、松前半島でしょうか!?
フェリーは大間を16時過ぎに出航し、函館への到着は18時前。テントを張るには時間が遅いので、あらかじめ函館にホテルを予約しておきました。いよいよ北海道入りです!
ネットで予約したのですが、いつの間にかポイントが貯まっていて綺麗なホテルに2000円で泊まれてしまいました。やっぱりホテルは楽だし綺麗だし快適ですね。(笑)
ホテルに荷物を置いて一息ついたところで、夕飯時だったので函館ラーメンを食べに出かけました。夜の街を見てみたかったので、徒歩で出かけます。ネットで調べて割と人気のあるお店をチョイス。近場のお店は閉まっていたので、路面電車で数駅移動したところのお店へ行きました。もちろん塩ラーメン!疲れているときはこってりよりもあっさりが体にしみます。
夕飯を食べてから向かったのが、函館山。そう、函館は夜景が有名ですよね。折角来たので、バスで頂上まで登ってみました。ちなみにバイクだとマイカー規制で入れません。
綺麗の一言!どうやら函館も雨が降ったあとらしく、空気がとても澄んでいて綺麗に見える条件が揃っていたようです。これはラッキー。風が強く人も多かったので写真を撮るのが精一杯でしたが、良いものを見ることが出来ました。
帰りはロープウェイにのって一気に下山。ホテルで寛いでから床につきました。それにしても、この時点では未だに自分が北海道にいる事が信じられませんでした。
4日目以降は次の記事へ続きます。
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