四国山地を走ろう 〜4泊5日弾丸キャンプの旅〜
ゴールデンウィークを利用して、四国へなんと1年半ぶりのキャンプツーリングに行ってまいりました。目的は山間を走ることと、キャンプをすることの五分五分といったところです。
今回のキャンプツーリングは、もともとは中国地方か九州地方へ行く予定でした。しかし今年のゴールデンウィークは天気に恵まれそうだということが分かっていたので、2年ほど前に濃霧で何も見えなかった瓶ヶ森林道へ再び行って見たいという気持ちが強くなり、直前に行き先を変更して四国へ向かうことになりました。
全体のルートはこちら。(色が変わっている所が日付が変わった所です)
出発したのはゴールデンウィークの中日である5月1日。暦的には1日と2日は平日なので、そこまで道は混んでいないだろうと読んで、家を出たのは朝5時前。日の上がらないうちに出る計画もしていたのですが、高速道路を利用するつもりだったので、睡眠をしっかり取ってから出発しました。
ルートは東名高速〜新東名高速〜名神高速〜神戸淡路鳴門自動車道〜徳島自動車道と、ほぼ高速オンリーでキャンプ場へ到着!高速道路なので途中写真を撮ったりも出来ないのが残念ですが、唯一景色の良かった淡路島SAで撮ったのがこちら。
予報通り天気にも恵まれ、目立った渋滞もなかったのですが、関西へきてからの風が強い強い!明石海峡大橋で見た風速計の値は12m/sだったでしょうか。そもそも風をきって走っているバイク乗りには、かなりの強風です。その後の徳島自動車道でも同じくらいの風が吹き続け、怖くて低速走行しようにも片側1車線なので後ろからどんどん車に煽られ、本当にキツかったです。(笑)
さて、こうしてキャンプ場についたのは15時ごろ。今回もベースキャンプ式にしたのですが、なんと選んだのは高速のスマートICと接続している珍しい「美濃田の渕キャンプ場」!初めは車の音やら景観やら心配していたのですが、ついてみると高速の側と思えない静寂さと景観でした。吉野川沿いにもサイトがあるのですが、さすがに連休中ということもあって密度が高そうだったので、少し離れた場所にサイトを設置。「ベースキャンプなのだから景色の良い場所が良い」というのと、「折角街から田舎へ来たのだから静寂なところが良い」というのと、いつも迷うところです。今回は連休中に便利なキャンプ場へ来ているので、少なくとも前者は諦めるしかないのかもしれません。
今回のキャンプに合わせて小型のタープを購入したのですが、キャンプを楽しむにはやはり日差し対策は必須ですね!出発前日にキャンプ場の写真を見て、ふと日差しが当たりそうなことに気がつき買いに出かけたのですが、サイズ(特に折りたたんだ状態)が丁度良いのがなくて何軒もお店を回って漸く買ったものだったので、苦労して正解でした。
さて、初日は移動日と決めていたので、キャンプを張ったらご当地肉と野菜を買って来てプチBBQの始まり!炎天下の中のビールは美味しいですね。笑
シメに温うどんを作って食べ、スマートICに併設されていた美濃田の湯に入ってこの日は就寝。
あくる2日目、特にどこに行く予定もしないまま寝てしまった(ダラダラキャンプ!)ので、早起きするわけでもなく朝8時ごろ活動開始。まずは前日しっかり見れなかったキャンプ場の中を散歩します。吉野川沿いに行ってみると、綺麗な景観が目に飛び込んで来ました。
見辛いですが、写真右の方に写っている人工物は橋梁で、以前この川に橋を掛けようとした計画が途中で中止になったものの名残だそうです。自然物に人口物が溶け込んだ不思議な描写でした。
その後朝食をとり、この日はキャンプ場近隣の山道を走ることにしました。出発したのは遅めの10時半ごろ。まず向かったのはキャンプ場から東の方にある、四国を縦断するように走っている徳島県道44号線。ここには落合峠という峠道があり、この道を通って国道439号線へと南下します。44号線は如何にも県道の山道といった道路で、適度な路面凸凹とワインディング、道幅の狭さとガードレールの未整備が良い雰囲気を出していて面白い道でした。(笑)そんな落合峠の登りのワンシーンがこちら。
実は今回の旅からアクションカムを持参しているので、車載動画を記録できるようになりました。アングルや設定など試行錯誤したので、雰囲気は味わえるかと思います!ちなみに4Kでアップロードしているので、是非解像度を上げてご覧ください!
重たい荷物は全てキャンプに置いて来ているので、バイクが軽い軽い!山道を走るのにはこれは大きいです。こうして落合峠に到着。やはり四国の山中は人気が少なくて好きです。
この日は動画を沢山撮影したので、落合峠の下りの様子も載せておきます。
こうしてお楽しみの国道439号へと入り、西へと向かいます。国道439号は酷道439号とも呼ばれる国道とは思えない山道で、先に走った県道から違和感なく合流できる、むしろ道が悪くなった気さえする一部の人には有名な道路です。(笑)道が狭いなんてのは序の口。道路のひび割れや段差、ガードレールやカーブミラーの不足、そして落石なのかダンプカーの落し物なのか道路のいたるところに転がっている大きめの石。(これは県道でもありますが、国道でとなると別の話なのです)幅の狭いバイクでさえスピードが出せない道路です。特に石に関してはバイクは踏んでしまうと転倒の危険があるので気を遣います。見通しが悪くカーブが多いので、キープレフトと石を避けるのを同時に行わないといけないのが、走りづらい所でした。そんな国道439号から、東祖谷付近の様子を貼っておきます!
続いて同じく国道439号の京柱峠下りの動画です。個人的にジェットコースターに乗っているみたいでお気に入り!道も東祖谷付近と比較すると舗装状態も良くて走りやすく、酷い割りには「良い道」でした。笑
その後国道32号にぶつかったところで進路を北へ向けます。しかし流石は二桁国道ということもあって、快適な道路です。(笑)先ほどのような山道もいいけれど、走りやすい山間の道路もいいなと改めて感じました。短いですが雰囲気だけどうぞ!
その後有名なことを何も知らずに、地図を見てなんとなく山道が見えた祖谷渓の方へと向かいます。動画はありませんが、こちらも細い山道で雰囲気のある道路でした。標高がどんどん上がっていき、気がついた頃には眺望の良い場所に辿り着いていました。
誰も居らず景色も良いので、ここぞとばかりに用意していたおにぎりを頬張り出したその途端…轟音とともに10台ほどのアメリカンバイクの集団に囲まれてしまいました。それに続くように乗用車も4台ほど側に駐車してきたので、何かと思って調べてみたら祖谷渓という四国では有名な(主に)紅葉スポットでした。季節は紅葉ではありませんが、この蛇行する川の渓谷美は、確かに見ものですよね。
その後再び国道32号線へ合流、北上したところで、吉野川沿いに走る国道192号でキャンプ場へと戻ります。途中讃岐うどんが食べられるお店をチェックしておいたので、立ち寄って釜揚げうどんを注文!素うどんも美味しいですが、釜揚げうどんってどんどん食べれてしまうところが好きです!
こうしてキャンプ場に戻ったのはまだ日の明るい16時前。遅出早戻の時短ツーリングでした。(笑)キャンプ設営の手間もないので、日の入り前から夜空になるまで、しばし椅子に座って外の空気を楽しんでからこの日を終えました。
3日目。実は瓶ヶ森林道に行く日をいつにしようか天気図を見ながら考えていたのですが、初日に考えていた3日目よりも、翌日の4日目の方が天気が良さそうなことが分かり、この日もキャンプ場周囲のツーリングをすることになりました。なんとも無計画なもので、朝からスープにサラダにサンドイッチになんてモーニングキャンプを楽しんでいたら、気がつけばお昼…。一時はこのままキャンプデーにしてしまおうかとも思ったのですが、折角四国に来ているので、夜までに帰れる範囲で徳島方面へドライブすることにしました。
とりあえず昨日とは反対に、吉野川沿いを東へと進みます。吉野川市のあたりで気分を変えようと国道193号に入って山の方へ登ります。その後国道438号へと進んで着いたのは神山温泉。キャンプ場をでたのが13時過ぎていたので、着いたのはすでに15時前。もはやここが目的地だったのかと気付き(笑)、1時間ほど温泉に浸かって休憩!その後県道を使って再び吉野川沿いに出るべく北上します。17時ごろには吉野川沿いに着いたのですが、このまま帰っても面白くないので、通りがけに寄れそうな観光スポット「阿波の土柱」へ寄って見ました。
アメリカのロッキー、イタリアのチロルと並ぶ世界三大奇勝と説明がありましたが、ちょっと迫力が物足りないような気がします…。でもこれはこれで、探しても簡単には同じものは見つからないオンリーワンな景観でした。こうしてキャンプ場に戻ったのは19時ごろ。既に辺りは暗くなっていましたが、この日から暦上の連休後半初日ということもあって、戻ってきたらテントサイトがテントやファミリーキャンパーでいっぱいになっていてびっくり…。とりあえず(1杯飲んでから…)遅めの夕食のスープカレーを作って、この日は翌日に備えて早めに活動を終えました。
4日目。予定では6日目までいようと思っていたのですが、突然現れたファミリーキャンパー達に帰りの大渋滞が頭をよぎり、急遽5日目(金曜日)に帰ることに決めたので、実質この日が最後の活動日となります。朝6時に起床して吉野川のほとりへ寄ってみると、風もなくとてもよい天気!これは期待が高まります。
出発時間は決めていなかったのですが、天気が変わる前にと7時には出発です。向かう先はもちろん瓶ヶ森林道!善は急げで徳島自動車道を利用して、一気に愛媛県は東温市まで高速移動です。移動中、前の車が覆面パトカーに捕まるドッキリハプニングもありましたが、8時過ぎには高速を降りて一般道へ。天気は依然として良いのですが、何やら目の前にある山には灰色の雲がかかっています。嫌な予感がしながらも、天気予報の堂々とした晴れマークの羅列を信じて進みます。
瓶ヶ森林道へは前回と逆走路で、国道494号線を登っていきます。しかし登れば登るほど暗くなる空。下界の晴天が嘘のようです。…と言っても遠目に見たとき石鎚山にだけ雲がかかっていたので、単に予感的中といったところでしょうか。(笑)とにかくせめて前回のような霧だけはないだろうと信じて登って行くにつれ、次第に雨が、そして霧が…。瓶ヶ森林道へ入った頃には景色はこんな感じになっていました。
視界不良のせいなのか、パトロールカーが出る始末。行き先も変え、そして晴れまで狙って日程調整して来たのにひどい仕打ちです。しかしこれも自然の摂理。仕方なく無心で真っ白な瓶ヶ森林道を通過しました。(笑)これでまた四国に来る用事ができたってもんですね!
雨にも濡れ、キモチも負け、すっかりくたびれてしまったので、とにかく癒されたいと林道を超えた先にある木の香温泉へ直行。ここは3回目の訪問なので、調べずとも元から行く予定をしていたお気に入りスポットです。
11時ごろ立ち寄って、食事もせず温泉でぐったりして、出て来たのはなんと13時。(笑)キャンプ場を出てから6時間が経過していたので、そろそろ帰路に着かなければいけません。天気さえ良ければ本当はカルストにも寄りたかったのですが、何せ気が滅入ってしまっていたので国道194号を南下し、国道439号経由で東へ戻るルートを選びました。通ったことのある道だったこともあり、帰りはとにかく走るのみ!こうしてキャンプ場へ戻ったのは16時ごろでした。カツオのたたきをつまみに、一人傷心パーティをして寂しく床に着くこととなりました。(笑)
最終日。渋滞を避けるべく1日前倒した帰りの日。先に言ってしまうと、不運は続きます。(笑)
基本的に行きと同じで、キャンプ場から高速道路で家の側まで帰れるので、ルートは大きく変わりません。神戸と京都の辺りで行きと少し違うルートを通った程度です。この日出発したのは7時前。調べると高速で家まで8時間程度の道のりだったので、そこまで早い必要もないと思いこの時間になりました。淡路島を抜け、本州に着いたのが9時過ぎ。まずまずの出だしだと思っていたのですが、ここからが苦難の連続でした。
淡路島の辺りから車の数は多くなっていたのですが、それが京都を抜ける辺りから酷くなり、あっという間に大渋滞です。酷いところでは10km抜けるのに1時間以上かかるほどです。車の排ガスにアスファルトの照り返しで路面温度が非常に高く、フラフラします。さすがに危険なので早く帰りたい思いをこらえ、こまめに休憩をとりながら進むことにしました。
本来なら7時に出れば到着しているであろう15時には、まだまだ愛知県。2/3来た程度です。そしてこの後東名高速の大渋滞が待ち構えていることが分かり、意気消沈。(笑)どうやらゴールデンウィークのUターンラッシュピークは、土曜日ではなく金曜日だったようです。完全に読み違えてしまいました。行けるところまで行こうと新東名を進み、いよいよ東名に差し掛かろうとする手前の駿河湾沼津SAに着いたのは17時前。もう日が暮れる前に帰れないことは確定していたので、いっその事ピークが終わるまでSAで寛ごうと、ここで長期休憩を取ることにしました。
キャンプツーリングらしからぬ、カフェでコーヒーブレイクなどしているうちに、時は夜21時。本当は深夜まで居座るくらいの気持ちでいたのですが、これはこれで心が折れたので、家を目指します。(笑)その後は多少の渋滞はありましたが、先ほどまでの酷いものはなく、家に着いたのは深夜0時頃。なんだかんだトータル17時間コースになってしまいました。いやぁ、久しぶりに疲れました。
走行距離は1434km。往復の移動が大半ですが、よく走りました。四国への未練も残り、渋滞の疲れも残り、なかなか厳しいキャンプでしたが、連休中の人の動きなど勉強になる部分もありました。キャンプ自体は快適で楽しいものだったので、今回はそれで良しとします!また次回、違うところへ計画しようと思います。
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