無計画で行く9泊10日北海道ツーリング (2015)

またしても遅ればせポストになってしまったのですが、2015年9月に、9泊10日で北海道へキャンプツーリングに行ってきた時の記録を書きたいと思います。忘れないための記録なのですが、すでに半年以上経っているので一部記憶が薄いところも…(笑)

今回の北海道ツーリングは出発1週間前に急に思い立って予定したこともあり、行きのフェリー以外は何も計画しないままスタートとなりました。いつもキャンプツーリングに行く時はそれに近いスタイルですが、遠方に出かけるのにここまで無計画なのも久しぶりです。

ルートはこちら。(色が変わっている所が日付が変わった所です)



今回は北海道までの道程の大半をフェリーでのんびりと行ってみようと言うコンセプトで、行きは新潟〜小樽のフェリーを利用しました。フェリーは朝の10時半に出航ですが、バイクは最初に積み込むそうで、1時間前の9時半には現地で受付をしている必要がありました。自宅からは混雑なしでも5時間弱は掛かるので、渋滞+休憩時間などのマージンを入れて、遅くても6時間前の3時半には出発することに決めていました。

ところが当日…準備をしていざ荷物をバイクに積みに行こうと外に出ると、予報には載っていなかった雨が降っていました。小雨でしたがしっかりと降っていて、地面もかなり濡れていました。この雨でも高速に乗るのできついと思い、急いで雨支度です。荷物の中にしまっていた雨具を取り出し、気温も下がっていたので重ね着もして、荷物も濡れないか再確認。そんなことをしていたら時計はいつの間にか4時半です。雨は変わらず降っているし、これはもうフェリーに間に合わないかもしれないと一瞬嫌な予感がしたのですが、行かずに諦めるより行ってダメな方が良いと思い、雨の中予定よりかなり遅れて出発しました。

本来東京までは下道で行こうと思っていたところを、自宅最寄りから首都高速へ。その後関越道→北陸道とひたすら高速運転です。重い荷物を積んでいるし、路面は濡れていたので、速度はかなり落として慎重に走ります。予報はこんなに当たらないのかと言わんばかりに、関越道に乗ると雨脚はさらに強く、気がつくと大雨で前がよく見えないほどになっていました。追い越し車線を猛スピードで抜いていく大型トラックが起こす雨嵐に耐えながらも、途中の給油を除いてほとんど休憩せずに運転。その甲斐もあってか、新潟港に着いたのはなんと受付5分前の9時25分。途中湯沢の峠を越えた辺りで雨は止んだのですが、それでもやたら体が震えていた理由が、雨具の隙間から水が入り込んでいて服がびちょびちょになっていたことだと分かりガックリしつつも、フェリーには間に合ったので漸くホッとすることが出来ました。

知らされていた通り一番最初に積み込みが始まったので、出航まで一足お先に船内をウロウロしていたところ、なんと既に大浴場が営業していることが発覚!全身びしょ濡れの自分は自分の寝台に行く前に真っ先にお風呂に入りました。(笑)お風呂から上がったところで甲板に出てみると、丁度出航の時間。へこたれた気持ちをリセットして、北海道旅行の幕開けとなりました。

ちなみに小樽までは18時間強の船旅です。シルバーウィーク近辺と言うこともあって予約が取れるか不安だったのですが、運良く残り僅かだった寝台を取ることができました。

普段あまりお酒を飲む方ではないのですが、早朝からの激動の6時間にくたびれてしまい、朝っぱらからお風呂上がりの1杯を飲んでしまいました。(笑)

こうして昼間は酔っ払って寝、夜は船内食を食べて寝、と言う贅沢な初日となりました。(笑)


あくる2日目、フェリーは早朝5時前に小樽へ到着しました。天気予報を見るとその日は午後から北海道のほぼ全域で雨。上陸初日からついていません。しかしよくよく見ると、一箇所だけ曇りマークの場所が…この日は迷わず北上し、稚内へと向かうことにしました。何れにしても稚内から少し南では雨予報になっていたので、最悪は降られる覚悟で、少しでも雨脚が弱いところを選んだ形です。

行き先を決めているうちに薄暗かった小樽は朝焼けの時間に。そこには幻想的な港の夜明けが映っていました。

大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。

The Portgrow (4288×2848/3.0MB)

朝5時過ぎに小樽を出て、国道5号→国道337号→国道231号→国道232号→道道106号と、大好きなオロロンラインを通るルートでひたすら北上します。午後に迫ってきている雨雲から逃げるように、ノンストップで走ります。

こうして利尻礼文サロベツ国立公園に着いたのは、午前11時40分ごろ。もう雨にはあたらまいと、必死に走った結果昼前につきました。(笑)

利尻島には少し雲がかかっていましたが、この風景は何度見ても好きです。しばらく眺めていたいところなのですが、雨が降るかもしれないので取り急ぎテントを張ってしまうことに。今回は稚内公園の中にあるキャンプ場に向かいました。着いたのはお昼すぎだったでしょうか。無料のキャンプ場なのですが、丁度芝刈りをしていたところで、綺麗なサイトにテントを張ることが出来ました。利用人数も少なく、良いところでした。

早めにテントを張り一安心したところで、翌日からの行動プランを練るべくテントの中で地図・天気予報とにらめっこです。最北端にいるのであとは南下するほかないのですが、やはり翌日は稚内以外北海道全域で雨予報。(笑)これは稚内周辺をウロウロするしかなさそうです。そうなったら美味しいものを探すしかないと思い、早速夕飯は最北のラーメン屋さんへ。北海道らしく塩ラーメンをいただきました。

その後しばらく徒歩で稚内駅周辺を彷徨い、キャンプ場に戻った頃にはすでに真っ暗。キャンプ場への登り坂からは稚内のちょっとした夜景も見ることができました。


3日目。雨こそ降っていないものの外は曇天。天気予報は変わらず稚内以外は全て雨…。身動きが取れないので少し朝寝をして、11時ごろから昼食を兼ねて最北の地をウロウロします。あまり南の方には行けないので、ノシャップ岬と宗谷岬をツーリング。宗谷丘陵は以前海岸線しか通らなかったので、風力発電のフィンが立ち並ぶ絶景に今更ながら驚きました。

その後、お昼ご飯と温泉を目当てに豊富町へ向かいます。豊富温泉は湯治にも使われる北の果ての温泉で、少し油の匂いがする独特のお湯でした。お風呂上がりには、併設する食堂でエゾシカのジンギスカンを食べることに。普段食べないので食べ方がよく分からなかったのですが、食堂のお兄さんが教えてくれました。

天候は良くも悪くも変わる気配がなかったので、昼食をすませると再びオロロンラインを南下、少し走ったところにあったパンケ・ペンケ沼の辺りから内陸側へ入ってみました。今まで海側しか走ったことがなかったですが、展望台があったり原生花園があったり、違ったサロベツの雰囲気を楽しむことができました。それにしても天候のせいかオロロンラインは車が少なく、絶景独占の贅沢なドライブとなりました。

こうしてキャンプ場に戻ったのは夕方。明るいうちにテントの外でコーヒーを淹れて一服し、夜になったところで稚内駅へ向かいます。そして何故かここに・・・

まさかの映画館です。もちろん日本最北です。(笑)昨日通りかかった時に見つけたのですが、暇を持て余したので一人の時間を満喫することにしました。なんと見た映画は観客が自分一人だけの貸切!生まれて初めての体験でした。

映画を見終わった後、再び稚内市街で夕食にします。風が強く少し肌寒かったので、どうしても暖かいラーメンには惹かれてしまうものです。今回は味噌!昨日とは違うお店ですが、商店街なのに店の前にキタキツネが座っていてビックリしました。

キャンプ場に戻った頃にはすっかり夜中になっていたので、翌日のプランを何気なく考え、眠りにつきました。


4日目の朝。6時に起きた自分は衝撃を受けます。テントからポツポツと音が聞こえるのです。そう、完全に雨が降っていました。天気予報は昨日から曇りのままなのですが、どうやら現実は違うようです。暖かい味噌汁とおにぎりを朝食に摂り、10時ごろまで待ってみたのですが状況は好転せず…。本当は道東まで行きたかったので、仕方無くこの日も移動を諦めることにしました。ちなみに午後になっても天気予報は曇りのままでした。

15時ごろ、空が少し明るくなったと思ってテントから顔を出してみると、雨が上がっていました。風が強くまた降り出すかもしれないのでじっとしていようか迷ったのですが、夕飯も食べないといけないので、雨具を着て雨覚悟でバイクにまたがります。

この日最初で最後の外出だと分かっていたので、いきなり温泉に向かいます。前日に入った豊富温泉が最北だと思っていたのですが、調べるとなんと稚内にも温泉がありました。稚内半島の西側にあったので、ノシャップ岬を経由して目的地に。どうやらここが本当の最北の温泉だったようです。

温泉で2時間ほどゆったりし、帰りにコンビニで食料を買い込んでそそくさとキャンプ場へ。同じところに留まっているので、なんだか地元市民になった気分です。(笑)

翌日は晴れのマークが出ていたので、さすがに4泊目はないだろうと身支度を粗方すませ、床につきました。


5日目。漸く北海道に来ていることを実感できる日が来ました。雲は少し残っていましたが、見上げると朝から青空が覗いています!何せ3日振りの移動なので、6時には食事を済ませ、その後準備を入念に行い、8時半頃出発です。宗谷岬は先日一度行っていたので、道道1077号で宗谷半島はショートカット。オホーツク海岸を走る国道238号で南下していきます。途中オロロンラインの次に好きなエサヌカ線も通りました。前回来た時は天気が悪かったので、今回は本当に気持ちが良いです。やっぱり北海道はこれですね!

その前回は途中から国道275号で音威子府村方面へ南下したのですが、今回はそのままオホーツク海岸沿いを進みます。道が良く、お昼過ぎにはサロマ湖に到着。時間も丁度良かったので、ツーリングマップルに載っていて気になっていたホタテバーガーを食しました。揚げたてホタテがサクサクで美味しい!同じものではありませんが、お土産にホタテを買って帰りました。

ちなみに後から気がついたのですが、知る人ぞ知る(?)歩行者自転車並走可の標識が大量に設置されている道路も通りました。道路が山奥に消えていく風景が綺麗だと思って偶然撮っていました。(笑)

サロマ湖を超えた辺りで海岸沿いを外れ、道道を通って美幌方面へ。美幌峠越えをして屈斜路湖が見えたところで、この日の野営場所である和琴半島キャンプ場へ到着しました。16時前には着いたのですが、稚内で足止めされているうちに世は本格的に連休に入っていたようで、キャンプ場は人で溢れかえっていました。テントを張れるか不安だったのですが、係りの方に聞いてみたところ、スペースを湖畔側に広げてくださり、なんとかテントを張れることになりました。

結構湖に近いなと思いましたが、眺めがとても良かったので、逆にラッキーだったかもしれません。景色が湖面へ反射して綺麗だったので、パノラマ写真にしてみました。

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テントを張り夕飯の買い出しをしたところで辺りは既に真っ暗。慌ててお風呂を探すと、すぐそばに露天の三香温泉があることが分かったので、早速行ってみました。営業終了20分前だったためか入浴者は誰も居らず、慣れない露天でしたがリラックスして入ることができました。

5日目にして漸く北海道らしい一日となりました。稚内での連泊キャンプが思いのほか居心地が良かったので、寝る前に急遽ここをベースキャンプとして道東を回ることに決め、この日は終了となりました。


翌6日目。朝6時前に自然と目が覚め、気持ちの良い朝を迎えることができました。ふとテントから外を見てみると、カヌーが優雅に目の前を通り過ぎて行きました。

朝食をとり、この日のルートを考えて8時ごろ出発です。まずはダメ元で霧の摩周湖へ向かいます。人の多いところへ行きたくなかったので、初めから裏摩周へ向かいました。

するとなんと摩周湖が綺麗に見えていました。しかも霧どころか雲ひとつない晴天!摩周湖に来るのは3回目ですが、初めて湖面を見ることができました。

喜ぶと同時にこれはチャンスだと思い、続いて前回360度「霧の」大パノラマで苦い経験をした開陽台に足を運びました。

※画像クリックで拡大

既に雲が出てきていましたが、なんと予想が当たり地平線をパノラマで綺麗に見ることができ、前回の雪辱を果たすことができました!

その後中標津→標津と経由して海に出ましたが、途中の中標津空港では秋の訪れを感じるコスモスが綺麗に咲いていました。

大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。

Autumn Pinky Cherry (4288×2848/4.4MB)

海に出た後は、これまた前回大雨で痛い目にあった野付半島を往復し、その後北上して知床へと向かいます。羅臼町に着いたところで丁度お昼の時間になったので、道の駅で羅臼昆布がのった時知らず・タラバガニの寿司を購入して防波堤で昼食を食べます。

防波堤からは、波打ち際でウミネコの大群が合唱しているのが見えましたが、何かエサでもあったのでしょうか。

その後日本最東の相泊温泉を横目に、車両進入禁止の札のあるところまで知床半島を走ってみました。特に何があった訳でもなかったのですが、「キケン道なし」の標識はなかなか洒落ていると思います。(笑)

来た道を戻り、今度は知床峠へと登ります。前回こちらも霧で何も見えなかったので、今回は期待が高まります。ところが昇るにつれ風が強くなり、峠の頂上では暴風に・・・。風や雲・霧は道東の特徴なのかもしれませんが、運悪く羅臼岳には雲がかかっていました。雲が退くまで待っていようかとも考えたのですが、何より風が寒くて耐えられなかったので仕方なく諦めることに…。

こうして知床峠を下り、半島の北側から斜里の方へ向かう途中には、車を停めて写真を撮っている人が数組いました。何だろう見回してみると、一直線に下る道路でした。観光バスも立ち寄っていたので、観光スポットのようです。確かに前後の距離感だけでなく高低差も感じられるインパクトのある風景だったので、連られてパシャリ。

その後国道334号(知床街道)から道道102号へと進み、藻琴峠から川湯温泉に向かいました。藻琴峠から見る屈斜路湖は美幌峠から見るものとまた違っていて新鮮な感じがしました。でもやっぱり美幌から見る方が、屈斜路湖感があって好きです。

川湯温泉で掛け流しの日帰り温泉に入り、体が温まったところで和琴半島のキャンプ場へと戻り、この日は幕を閉じました。


7日目。深夜から騒がしく何度も目が覚めるなと思ったら、昨晩までは静かだった屈斜路湖に波が立っていました。薄明るくなってきた朝5時、テントを開けてびっくりです。こんなに近かったのかと目を疑うくらいの距離に波が立っていました。一瞬テントを移動するべきか考えたのですが、冷静に考えて海ほどの満ち引きがあるわけではないので、そのまま様子を見ることにしました。さざ波なら心地よく眠れそうなのですが、逆に目が覚めてしまうのは波が来る間隔が短いからでしょうか。様子を動画に撮ってみました。音量は伝えづらいですが、かなり大きめで騒がしかったです。ちなみにこの動画ですが、このアングルでテントの中から撮っています。(笑)

こうして(結果的に)早起きした恩恵を無駄にしたくはなかったので、この日は少し早い朝7時前にはキャンプ場を出発し、釧路経由で根室半島の方へ向かいます。天気には恵まれ、待ちに待った秋晴れとなりました。まずは弟子屈町から道道53号でひたすら南下し、釧路湿原を目指します。途中通りかかった鶴居村では、偶然振り向いた方向にタンチョウヅルが何羽か見えましたが、遠くで写真にはうまく撮れませんでした。それよりもコスモス畑が圧巻で、こちらを撮ってしまいました。(笑)

釧路湿原を抜け、釧路市街を通って東進します。ここは以前来た時JR花咲線に乗って通った道のりです。人を避けるように敢えて海沿いの道を走って行きましたが、根室半島らしい長閑な風景が続きます。牡蠣の有名な厚岸には湾と湖がありますが、こちらは厚岸に着く前に撮った厚岸湾です。

まだ10時すぎでしたが、折角通りがかったので厚岸駅に立ち寄り「かきめし」を購入。乗客がこれを買うために、観光電車は暫く停車するほどだそうです。ちらっと駅を覗いてみましたが、風情のある田舎らしい駅舎で気に入りました。

厚岸で1時間ほど休憩した後、更に海岸線を先に進みます。地図から見るにゴツゴツした岩肌を走るのかと思っていたのですが、この辺りには霧多布湿原があり、想像とは真逆の緑の多い所でした。そして特徴的なのが、全体的に地面が海から高く、まるで大きな台の上に乗っているかのような地形なのです。この写真では分かりづらいかもしれませんが、熊本の大観峰のようなイメージです。

高台からは海と湿地帯が交錯するような形状がみられます。

そんな絶景に感動しながらも、この日は9月の道東としては異例の28℃を越す夏日だったこともあり汗だくだったので、霧多布温泉で一浴びすることに。そんな予定外のことをしていたら時刻は既に13時を回っていました。本来なら根室から折り返しているべき時間です。仕方なくお昼ご飯を我慢して先に進みます。

根室への道道では、礼文島を思い出すような風景や、

路肩の位置を示す標識すらない木に囲まれた直線道路など、普段は見ることの出来ない贅沢な景色が続きました。

大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。

Straightened To The Horizon (4288×2848/5.4MB)

是非このコースはまた走ってみたいと思いました。こうして納沙布岬に到着したのは15時。思っていたより距離があって、すっかり夕方になってしまいました。

流石に空腹もこれ以上我慢できなくなったので、早速厚岸で買った「かきめし」を食べることに。この日の納沙布岬は風が強く、飛ばされないように食べるので必死でした。(笑)とっくに冷めていましたが、出汁醤油が染みていて美味しくいただきました。

前述の通り、帰りの時間を考えると片道でこの時間はかなり遅いペース。遅い昼食を終えたら急ぎ足で公園を散策し、記念に3年前と同じアングルで祈念碑の写真を
撮りました。

大きいサイズの写真は以下からダウンロードできます。

A Symbol For Four Islands 2015 (4288×2848/3.2MB)

帰路は花咲線の北側を西進し、別海、多和平を経由して弟子屈町へ。キャンプ場で噂に聞きつけた有名な(?)弟子屈ラーメンを食べて帰りました。北海道らしい魚介スープで、夕飯時でしたがお店はかなり混雑していました。

こうしてキャンプ場に着いたのは18時半頃。和琴半島のキャンプ場も今日が最後の予定でいたので、キャンプ場に併設されていた源泉掛け流しの温泉に入り、早めにテントに戻って眠ることにしました。毎日温泉に入れるのは本当に幸せです。


8日目。旅もいよいよ終盤。帰りは行きとは違う苫小牧からのフェリーに乗りたかったのですが、実は連休の影響もあって二輪貨物がキャンセル待ちでした。帰れないと困るので小樽〜秋田のフェリーも予約をしておいたのですが、小樽から乗る場合は今日この日しか空いておらず、早朝出て長距離移動する必要がありました。前日からドキドキしていたのですが、なんと当日の朝キャンセル待ちが本予約になった旨のメールが来ていました!ギリギリですが本当にラッキーでした。

そんなこんなで今日小樽まで行く必要もなくなったので、この日は富良野を目指して西に進みます。周りのキャンパーも殆どいなくなっていたので、思い出深いテントを出発前に記念撮影。何度見ても水際に近いですね。(笑)

屈斜路湖を出発したのは朝8時。まずは美幌峠を登ります。キャンプ場では曇天だったのですが、峠を登ってびっくり。湖には雲海が出ていて天気は快晴でした。道理で曇っていた訳です。

その後美瑛経由で国道39号を西へと進みます。途中道の駅に日本一大きな鳩時計と書かれていたのを見つけたので、立ち寄ってみました。丁度10時の時報が聞けたのですが、時間になると人形が沢山出てきて音楽を演奏する仕掛けで、豪華でしたが肝心の鳩は小さくあまり鳩時計と言う感じはありませんでした。(笑)

この辺りまでは快適に走れたのですが、国道39号は紅葉シーズン真っ最中の大雪山を通るので、途中から交通量が一気に増えました。雰囲気に浮かれ少し寄り道をして三国峠の方も走ってみましたが、道路から紅葉はあまりよく見えませんでした。ロープウェーで登ることも考えましたが、山の上方には雲が掛かっていたので今回は諦めました。

こうして旭川についたのは13時前。この日もかなり温度が上がっていて、もはや半袖が基本で走っていたくらい暑いのですが、どうしても気になっていた生姜ラーメンを食べたくて「みづの」へ足を運びます。さっぱり醤油味におろした生姜が入っているのですが、こってり系が苦手なのでこれはとても口に合いました。言うまでもなく食べ終わってから大量の汗が吹き出ましたが、冬に食べれば体が温まりそうですし、是非また来たいと思います。

食後近くの常磐公園で一息つき、再び先に進みます。地図から見るに15km以上は直線が続いていると思われる道道1060号で美瑛方面へ。途中道を間違えながらも15時半頃には本日のキャンプ地である上富良野に到着しました。早速明るいうちにテントを張り、早めに食事とお風呂を探します。お風呂はキャンプ場で十勝岳温泉をオススメされ割引券も頂いたので、そちらに行ってみることに。時間も早かったので、美瑛の道の駅で買い物をして、またまた直線道の道道906号で十勝岳方面へ向かいます。全く意図していなかったのですが、途中見覚えのある道だなと思っていたら近年有名なあの青い池の前を通る道でした。以前来た時は大雨の後で色があまり青く無かったことを思い出し、急遽もう一度寄ってみることにしました。

日暮れ前というのに観光客が多かったのですが、なるほど今回は綺麗なコバルトブルーの水面が見られました。しかし薄暗さのせいでなかなか綺麗な写真を撮ることが出来なかったので、また次の機会に寄ってみようと思います。

こうして温泉に着いたのは18時半頃。写真は露出が高く明るく見えますが、寄り道した影響で辺りはかなり暗くなっていました。帰りは真っ暗になる覚悟を決め、温泉にはゆったりと浸かりました。山の上なのに綺麗な温泉施設で、また利用したいなと思いました。

帰り道は予想通りの真っ暗。街灯も山道なので、シカに怯えながら山を下ります。和琴半島のキャンプ場ではシカにぶつかってバイクが廃車になってしまった気の毒な方も居たらしいので、尚更慎重になります。こうしてキャンプ場に戻ってきたのは19時すぎ。夕飯を済ませ、翌日に備えます。


9日目。上富良野のキャンプ場もとても居心地が良く、たった1日で去ってしまうのは非常に惜しかったのですが、フェリーには絶対に遅れられないので朝6時には行動開始です。名残惜しむ様に朝焼けのキャンプ写真を一枚撮っておきました。

テントを片付け、フェリーの出航時間に合わせたルートを決め、出発したのは9時前。早起きした割には遅出となりました。(笑)むしろ苫小牧港に直行してしまうと17時のフェリーに乗るにはかなり早く着いてしまうので、遠回りをして室蘭と登別経由で向かうことになりました。

国道452号→国道12号で札幌を経由し、そこから国道230号で山間部を走ります。北海道の道路所要時間は基本的にナビの時間よりもかなり早く着いてしまうことが多いので、今回もあらかじめその分を計算に入れていたのですが、この山間部にまさかの落とし穴がありました。大型のダンプカーが制限速度以下で連なっており、追い越しも出来ないため一気にペースダウンしてしまったのです。本当は洞爺湖にも寄りたかったのですが、時間がなくなってしまい海沿いに国道37号を急ぎます。そして室蘭ではまさかの渋滞に巻き込まれ、行きたかった地球岬も諦めてスキップすることに…。

こうして登別についたのが15時すぎ。港には16時半には着きたかったので、気がつけば道中どこにも寄っていないのに温泉に入る時間すら無くなっていました。(笑)ナビの上では既に到着が17時を回っていたので、怖くなり温泉も諦めてそのまま国道36号を直進。この道は以前走ったことがあり、快走路の記憶があったのでそこまで心配はしていませんでしたが、それでも港に到着したのは16時半前。ギリギリセーフでした。行きも帰りもフェリーにはドキドキさせられます。(笑)

乗ったのは太平洋側を航行する大洗行きのフェリー。大型船なのでバイクの積み込みにもかなり時間がかかりましたが、キャンセル待ちで運良く手に入ったチケットなので、有難く思いながら乗船しました。ちなみに今回も個別の寝台が取れました。

こうしてフェリーが出港したのは18時半ごろ。北海道を離れるこの瞬間が一番寂しいのですが、また来るよという挨拶を兼ねて甲板に上がり、北の地平線(稚内方面)に向かって手を振りました。

フェリーの所要時間は19時間ほど。長時間に渡るので、まだ終わっていないのにも関わらず、持ってきていたタブレットで写真の整理や走った経路を見直して旅の思い出にふけります。(笑)ところが波がシケていたのか、沖に出ると船が揺れ出し酔い気味に…。結局この日は早めに寝ることになりました。やっぱり太平洋は揺れるのでしょうか。


旅の終わり、10日目。フェリーは予定通り大洗港に13時半に到着しました。

バイクの積み下ろしにまた少し時間がかかりましたが、14時すぎには大洗を出発出来ました。自宅のある横浜までどのように帰ろうか迷ったのですが、今回は北海道を思いっきり楽しむためにも、如何に北海道までの道中で疲れないかにも重きを置きたかったので、結局高速道路で帰ることにしました。北関東道→常磐道→首都高速と進み、16時半には無事帰宅することが出来ました。新潟と比べるとやっぱり大洗は近いです。


こうして2015年北海道ツーリングは幕を閉じました。北海道は遠いから当分来れないだろうなと思っていた2012年、そして突然行きたい思いに負けて来てしまった2015年、なんだかこの3年位の、もしくはもっと短いスパンでまた行きたいなと思ってしまうのは、やはり北海道の魅力なのでしょうか。

#今回の走行距離:3042.2km / 給油:98.1L / 燃費:31.01km/L