中日本縦断ツーリング(2015)

本来は記事にするつもりはなかったのですが、やはりいつまでも記憶に留めておくことは出来ないし、忘れてしまうのは勿体無いので文字に残しておくことにしました。思い出って大切ですよね。今回は2015年5月の連休に突然思い立って行ってきた、中日本を南から縦断しようという趣旨のキャンプツーリングです!

ルートはこちら。今回は2泊3日でしたが、ほぼ下道で走破したのでかなりハードな道程となりました。(色が変わっている所が日付が変わった所です)



初日、恒例行事の様にこの日もかなりの早起き!夜中の1時半に起き、着替えてご飯を食べて、家を発ったのは2時55分。何せ下道で横浜から下呂温泉まで行くと決めたので、朝の渋滞に巻き込まれるわけにはいかなかったのです。いつもは国道1号で西へ向かうのですが、もうこの道も何度も通っているので今回は少し気分を変えて沼津までは国道246号を走ります。春先ですが、国道246号は山間を走るので深夜・早朝は冷えます。途中コンビニで温かいお茶を買って一休みすること数回、朝8時には浜松を通り過ぎていました。始発の新幹線にはさすがに勝てませんでした。(笑)

岡崎のあたりで国道1号を抜け、TOYOTAの本社を見るべく豊田に寄り道。富士重工のある群馬県太田市にはスバル町がありましたが、豊田にはトヨタ町がありました。自動車産業が経済に強く貢献しているのが垣間見れました。こうして名古屋の中心部に着いたのは11時半ごろ。やはり市街地に近づくと平均速度が落ちます。渋滞は避けたいと思っていたのですが、初めての名古屋市街地が想像以上に都市感があって、ワクワクしながら走れたので苦ではありませんでした。

名古屋からは国道41号を使って北上します。フォッサマグナの西側を並走する形になります。ちゃんとしたお昼ご飯を食べたかったのですが、とにかく日が暮れる前にテントを張りたかったのと、途中で下呂温泉にゆっくり浸かる時間が欲しかったので、おにぎりを頬張って先を急ぎました。がむしゃらに走っていたのでここまで写真を一枚も撮っていません。(笑)

こうして下呂温泉に着いたのは14時半ごろ。ゆっくり1時間お湯に浸かってもまだ日は暮れなそうです。

下呂温泉は俗に言う日本三名泉の一つ。草津温泉に続いてどうしても来たかったところです。山間に位置する温泉街は風情があり、郷土感を楽しめました。最後の砦は有馬温泉(兵庫県)ですが、遠いのでまとまった休みが取れたら行ってみたいなと思っています。

下呂温泉を後にし、本日のキャンプ地へ向かいます。この日は下呂から40分ほど北上したところにあった、御嶽山の麓でもある小坂中川原キャンプ場です。二つの川が合わさるところにあり、両側が川という面白いロケーションです。幹線道路から少し離れているので、川のせせらぎ以外は聞こえない長閑なところです。川縁には八重桜が満開でした。

このキャンプ場はサイトのすぐそばまでバイクを乗り入れることができたので、快適なキャンプとなりました。しかも今回から折りたたみ式のローチェアを持ってきていたので、自然の中にいる時間が増えとても気持ちが良かったです。

キャンプ場の自然を楽しんだところで、小腹がすいてきたのでそばにあった温泉施設を訪れました。下呂温泉からそう遠くないここにも温泉があったようです。ひめしゃがの湯とありましたが、小坂温泉というのでしょうか。御嶽山と関係がありそうで興味をそそられます。

温泉もいいがまずは腹ごしらえということで、温泉施設にあったレストランへ。注文したのは飛騨地方の郷土料理である朴葉味噌(ほうばみそ)。最初朴葉が読めなくて全然違う名前で注文してしまって恥をかきました。(笑)料理は朴葉の上に味噌をのせて焼き、野菜やきのこと一緒に食べるもの。想像したのと全然違いましたが、葉っぱの香りが移ってとても美味しかったです。飛騨の郷土料理に少し興味が出たので、お土産にはけいちゃん焼きを買って帰りましたが、こちらも美味しくいただきました。

さて、夕飯を食べ終わると外はすでに薄暗くなっていました。先ほどの写真にも写っていましたが、そばに巌立峡という柱状節理の地形があり(下調べしていたわけではないので知らなかったのです)、辺りを歩いてみようと思っていたのですが、案内板を見たら往復2時間とのこと・・・さすがに山の中で真っ暗は怖いので諦めました。いつか行ってみようと心に決めました。

こうして初日は幕を下ろしました。走行距離は503.6km。夕方に走るのを止めていることを考えれば、下道で頑張りました。疲れはたまりますが、温泉が疲労を回復してくれました。


翌日。起きたのは朝4時。相変わらずゆっくりしていません。(笑)日が昇っていたので巌立峡に行きたい気持ちもあったのですが、この先の旅程を考えるとどうしても2時間は捻出できなかったので、諦めて先へ進むことにしました。こうして出発したのは5時20分ごろ。国道41号を北上し、高山から西へ進んで国道156号へ道路を変え、再び北上します。実はこの日はもう一つの目的地だった白川郷へ舵を切っていました。この辺りは山間部となり、早朝はかなり冷え込んでいました。道路の温度表示では0度以下の所もあり、凍っているのではないかとヒヤヒヤしましたが、幸い凍結しているところはなく、ひたすら寒さに耐えているうちに白川郷へ到着。時刻は朝7時。連休中でしたが、さすがに朝7時に白川郷で観光している人は殆どいません。お店も閉まっていて何やら立ち止まる感じではなかったので、バイクで辺りをウロウロして世界遺産の合掌造りを拝んだところで後にすることにしました。とにかく寒かった記憶ばかりが残っています。色々と無計画すぎですね。(笑)

再び国道156号を北上していくと、富山県に入ります。この辺りにも合掌造りの群落があり、通り際に眺めただけですが、菅沼群落や相倉群落、他にも重要文化財となっている一軒家を時折見かけることができました。昔の日本に来たかのような気分になります。

途中国道304号で西寄りに進路を変え、山間を抜けると石川県に差し掛かります。この辺りは以前原付で通ったことがある地域ですが、今回はここから未踏の地であった能登半島へと足を運ぶことにしました。真っ先に向かったのは以前から気になっていた、日本の公道で唯一砂浜を走れるなぎさドライブウェイです。バイクなのでかなり不安でしたが、行ってみたい気持ちが勝って突入しました。(笑)

オンロードバイクだしキャンプ道具を沢山積んでるしでかなり緊張しましたが、思っていたより砂が固まっていたので無事に走ることができました。でもちょっと本線を外れるとハンドルを取られるし、駐車しようと思ってもスタンドが砂に埋もれて倒れてしまうので、長くは滞在出来ませんでした。人気なのか車の数が多かったですが、また来てみたいなと思いました。

本当は能登半島の最外周を走りたかったのですが、道が良いわけではなく時間がかかってしまいそうだったので、その後一部内陸を通ってほぼ能登半島を一周しました。時間帯もちょうどお昼だったせいか、海も綺麗でとても気持ち良く走ることができました。

こういう車っ気のない海沿いの道は昔から好きです。鮮やかな海の蒼はサンゴの死骸などで色が変わるものだと沖縄の経験から思っていたのですが、北から南まで、綺麗なブルーの海が時々あります。都市部に住んでいるとなかなか見られない、癒しの貴重な景色です。

能登半島を一周した後、富山湾沿いに富山県へ入ります。国道8号を走るのは5年ぶりくらいでしょうか。信号が縦になっているのを見ると豪雪地帯に来たことを感じさせます。この日のキャンプ場は黒部市の海沿いにあるグリーンパークおおしまキャンプ場。到着したのは18時半で、すでに薄暗くなっていました。急いでテントを張って夕食を探します。もう暗くなっていたのであまり移動はしたくなかったのですが、お風呂にも入りたかったので国道8号を15分ほど走って道の駅へ。味噌ラーメンとチャーハンのセットを食べ、さらに温泉に浸かって充分に体を温めてから、再び国道8号を15分ほど走って体を充分に冷やしてから寝ました。(笑)この日の走行距離は547.7km。前日より走っていてちょっとびっくり。


3日目。もともと3日日程だったのでこの日が最終日となります。そういえば西日本縦断旅行の時も金沢から下道だけで横浜へ帰りましたが、それに近い形になります。原付で一日で帰れるんだから大型なら余裕だろうと思っていたこともあり、テントを片付けて出発したのは朝8時半。初日、二日目と比べると随分な寝坊です。(笑)

ちなみに昨晩暗くて撮れなかったキャンプ場はこんな感じです。整備された芝のサイトで寝心地が良かったです。

朝食をとり、そろそろ出発しないととその日走るルートを調べていたら、少し遠回りをして国道17号を全線走破をしてみたい欲が出てきました。(笑)結局普段来れるところではないので、到着時間が夜になることを覚悟に決め、日本海側を北上、新潟市まで走りました。途中北アルプスも見えましたが、お天気はイマイチ。この辺りは何度か来ていますが、いつも曇天な気がします。晴れればとても綺麗なはずなんですが・・・。

さて、そうして新潟市に着いたのはなんと昼すぎの13時。日付が変わる前に帰れるのか不安になってきました。(笑)新潟市からはお目当ての国道17号を南下します。国道17号は新潟から南下し湯沢を通って群馬県へ、その後中山道をなぞるように埼玉→東京までつながる総延長455.6kmの長大な一般道です。

幹線道路なので都心部の渋滞は覚悟していたのですが、群馬県に差し掛かった18時頃から、車の密度が高くなりノロノロ運転になってきました。一時的なものだろうと高を括っていたら、なんと群馬を抜け埼玉に差し掛かってもまだ渋滞が止みません。激しく混むのは高速道路だけだろうと思っていたのですが、大型連休を舐めていたようです。最後は完全に止まってしまう始末…。大宮に着いた23時頃、これはもう体力の限界だと悟り、残りわずかの国道17号全線制覇を諦め首都高速に乗ることを決めました。悔しかったですが、やはり公道なので安全第一です。ちなみに眠さと戦っている時に、隕石が炎を上げて明るく光る火球という現象を初めて目撃して興奮したのを覚えています。あれが無かったらどこかで居眠りしていたかもしれません。(笑)

さいたま見沼インターから首都高速に乗ったのですが、走ってびっくり、とても順調に進むではありませんか!延伸された山手トンネルをフルに活用して、横浜の自宅に着いたのは日付が変わって12時40分ごろ。これで高速が渋滞していたら、休むところがないのに眠気と戦わなければならず危険だったかもしれません。さて、最終日の走行距離は602.7km。最後の最後で高速に乗ったとはいえ、下道と渋滞で走る距離ではありませんね。頑張りました。

こうして短いようで長い3日間が終わりました。短い時間で色々なところに行けるのはメリットですが、やはりテントの設営や撤収にかかる時間がそれなりにあるので、ある程度日本を回り切った今、これからはベースキャンプ形式にしてもう少しゆっくり走るように変えるのもありかなと思い始めた旅でした。