未踏の地求めて〜四の国5日間の旅〜

今年はどうしても行きたい3つの場所がありました。それは日本で私が未踏の県、香川・徳島・沖縄の3県です。さすがに一度に行くのは難しいので、まずはお盆休みを利用して四国の2県を制覇することにしました。

四国と言えば、西日本横断旅行で愛媛・高知に行ってから実に3年ぶりとなります!

さて、個人的に四国と言えばバイクです!今回も本来なら大型バイクでキャンプ旅をする予定だったのですが、途中で知人と合流することになり、昨年の西九州旅行と同じスタイルで、飛行機+レンタカーで4泊5日の旅となりました。移動ルートはこちら。



飛行機は羽田・岡山間を利用していますが、今回は岡山空港を開始点として記録を開始。なぜ岡山かと言うと合流地点が岡山だったからなのですが、そもそも陸路で橋を渡ってこその四国だろうという私の謎のこだわりでこうなりました。(笑)ちなみに色が変わっている所が日付が変わった所です。


1日目。出発はお盆休みまっただ中の月曜日。実は前日まで巨大台風の影響で四国地方は大きな災害に見舞われており、飛行機が飛ぶのか、飛んでも現地は道路が大丈夫なのか、と不安で仕方が無いなかでの出発となりました。

まだ灰色の雲が漂う中、無事に飛行機は離陸。岡山には9時頃の到着だったでしょうか。レンタカーを借りて早速知人を迎えに岡山駅へ向かいます。曇天と寝不足の影響で気分は晴れませんでしたが、合流してからは少しずつ天気が回復し、その後瀬戸大橋を渡る頃には晴れ間が見えるほどになり、やっと一安心できました。

瀬戸大橋を渡って、四国は香川県に到着したのはお昼頃。最初に向かったのは国の特別名勝でもある栗林公園(りつりんこうえん)です。歩いて廻れるのですが、中はかなり広く手の行き届いている日本らしい綺麗な所でした。

家屋なんかもあり、実際に管理人さんでも住んでいるのでしょうか。市街地に近いので時々救急車の音なんか聞こえましたが(笑)、のほほんとしてリラックス出来る所でした。

その後昼食に本場讃岐うどんを食べようと車で少し移動。うどん県と言うこともあってうどん屋さんがいっぱいあるのですが、その中でも松岡手打うどんに入りました。頼んだのはもちろんかけうどん!薬味も最低限で、まさにうどんを食べている感じで美味しく頂きました。個人的には、うどん自体の味よりも食感とか口当たりが普段食べる物とは違うなと感じました。

お腹もふくれた所で、次に目指すのは四国でも有名な金刀比羅宮、こんぴらさんです。お盆時期なので混雑を覚悟で向かいましたが、意外と一番近い駐車場が空いていてすんなり入れてしまいました。あまり調べないで行ったのですが、実はここからは怒濤の階段登りが待っていました。真夏の階段と言えば、東日本縦断旅行で行った山形の山寺を思い出します。

階段は本宮までで785段。山寺の1015段よりは少ないですが、奥社までいくと1368段もあるらしくかなりの高低差となります。この日は時間の関係で奥社までは行けませんでしたが、登りきると下界が一面見下ろせ疲れが吹き飛びました。

本宮でお参りをした後来た道を再び戻ると、本日の宿泊地そして2つめの未踏の地である徳島へ向かいます。予定では国道438号をずっと南下して剣山の山道を通って徳島へ向かう予定でしたが、台風の大雨の影響で通行止めがあったため、それよりも手前で進路を東へ変え美馬の辺りを通って吉野川沿いに徳島市へと出ました。

実は時間を気にしていたのは、ここ徳島で夕飯の予約をしていたからなのです。ホテルで荷物を降ろすと既に時間がギリギリだったので、そそくさと予約していたお店へ向かいました。

そう、お目当ては鯛飯でした。土鍋で炊いたご飯に、鯛をまるまる一匹入れた贅沢な鯛飯を提供してくれるお店があると知り、お盆時期ということもあって1ヶ月ぐらい前から予約してあったのです。折角なので鯛飯だけでは寂しいのでコースにしたのですが、ボリュームたっぷりで締めの鯛飯が出てくる時点ですでにお腹がいっぱい。(笑)

そしてあろうことか鯛がまるまる一匹入った土鍋の写真を撮ろうとしたら、あっという間に混ぜられてしまってシャッターチャンスを逃してしまうハプニング!お腹いっぱいでこちらの動きが鈍かったようです。(こっそり上の写真に崩された鯛飯が入ってます)ちなみに鯛飯は2合出てきたのですが、茶碗一杯食べてもうギブアップ。とっても美味しかったのですが、持ち帰れるということで残りはおむすびにして頂きました。残り過ぎてなんと3段重ねです!(笑)

たらふく食べたところでホテルに戻って就寝。温泉に入れなかった(道を変更したため)のだけが悔いですが、気持ちのよい景色に美味しい料理と、素敵な一日となりました。


2日目。既に四国の未踏の地は両方制覇してしまったのですが、ここから四国をぐるっと一周すべく高知へと向かいます。でもその前に折角徳島に来たのだからと、逆方向ですが寄り道をして鳴門の渦潮を見に行くことにしました。

渦潮自体は橋の上から見るのがはっきりみえて良いそうですが、やはり迫力のある目の前で見たいと言うことで小型の船であるうずしお汽船へ。お盆でも予約が要らないのはポイントですが、現地直前でまさかのパークアンドライドになっていて焦りました。もちろんここまで来て引き返す理由はないので乗ってきました!

写真だとかなり分かりづらいですが、波がぐるぐると渦を巻きながら移動していました。そして潮流が速い!ちょっと不安でしたが小型の船でも全然平気でした。そういえば鳴門は世界三大潮流なんですね〜。

渦潮を見た後、徳島ラーメンを食べに地元客が多いらしい(?)やまきょうへ。

徳島ラーメンと言えば以前会社の食堂で食べたことがあったのですが、それとは全くの別物でした。見た目によらずあっさりしていて、美味しく頂きました。醤油ベースに牛肉が入っているので、似た物で例えるとすき焼きみたいな感じでしょうか。

腹ごしらえも終わり、目的の高知へ向かいます。ルートは少し遠回りをして、室戸岬経由です。国道55号を海沿いにひたすら南下し、室戸岬についたのは17時半すぎ。

綺麗なビーチもいいですが、こういう岩浜も海らしさがあって好きです。

時間が押していたので室戸岬を後にし、再び国道55号で安芸、香南、南国と抜け高知へ移動しました。ホテルの駐車場へついたのはなんと20時!もう完全に夜です。

ところが夜にも関わらず街がやたら賑やかです。そして爆音で音楽が流れています。その正体は駐車場からホテルへ向かう時に分かりました。

そう、よさこい祭りの真っ最中だったのです。この時期にやっているのは知っていたのですが、夜も遅いし終わっているとばかり思っていました。これはテンションがあがります!最初は荷物を持ったまま立ち見をしていたのですが、我慢が出来ず急遽ホテルに荷物を置いて本格的にお祭りを見に行くことにしました。(笑)

どこも人でいっぱいだったのですが、最終的にひろめ市場の前の交差点の中央付近に陣取れたので、終了まで2時間近くじっくり見物出来ました。お祭りで街一角が盛り上がるのは良くありますが、街全体がここまで盛り上がっているのは初めてで感動しました。また是非見に来たいものです。

さて、お祭りに夢中で夕飯を食べるのを忘れていたのですが、保険と思っていたひろめ市場もこの日はお祭り終了と共に店じまいになってしまいました。お腹が減っていたので、散々歩き回って漸く見つけた居酒屋レストランの様なお店に入りました。

あまり期待していなかったのですが、まさかの目の前で鰹をたたいてもらえて感激してしまいました。そこそこお値段が張りましたが、調べてみると結構有名なお店だったようです。高知と言えば鰹なので、嬉しい誤算でした。

朝から深夜まで行動してクタクタになっていましたが、何よりこの日はよさこい祭りを見られて大満足の一日となりました。


明くる3日目。この日は高知県をメインに、西へと進みます。

朝一、連れが行ったことがないと言うことで、桂浜へ。事前情報ではここもパークアンドライドがあるとのことで早めに出たのですが、普通に駐車場に止められました。ラッキー!

3年前と同じ風景だ〜と思ってみていたのですが、少し進んでみるとそこには台風の影響で海から流されてきたと思われる流木やゴミなどでいっぱいでした。お盆時期ということもあってか、派遣されてきたのかボランティアなのか、重機を使ってせっせと片付けをしていました。かなり荒れていたのが分かりちょっとゾッとしました。

桂浜を後にし、次は横浪黒潮ラインに乗って海沿いを走ります。ちなみに前日まで土砂崩れて通行止めだったので、復旧の早さに驚きました。そして途中高速道路も利用し、四万十川沿いに走る国道381号に差し掛かったのは11時半ごろ。所謂幅の広い本流に合わせて、国道381号→国道441号と弧を描くように走り再び太平洋側に出るコースを走ります。途中ふと思い立って沈下橋なんかも渡ってみましたが、ガードレールもなく車一台丁度くらいの幅なのでなかなか緊張しました。(笑)

そんなこんなで川を再び下って土佐清水についたのは14時頃。ここは関サバが有名な所なので道の駅に入って食べるつもりだったのですが、その日の水揚げ量が少なかったことと、お盆時期だったことと、時間が遅かったこともあり売り切れ…。がっかりしつつもまだ残りがあると言われた鰹のたたきを前日に続いて注文。(なぜかイカものってましたが)鰹は昨日食べた方が美味しかった気がします…残念!

その後四国最南端である足摺岬へ到達!つい数日前巨大台風でニュースに何度も出てきた地名です。

足摺岬は道が狭く駐車スペースも殆どないためか、車でごった返していました。駐車スペースのそばで止まれないため車を止めるのにかなり時間が掛かってしまいましたが、なんとか車を置いて岬へ。徒歩で少し距離がありましたが、流石は最南端というだけあり、ジャングルのような南国の雰囲気漂う遊歩道です。林の中ですが、鮮やかなオレンジ色のカニも沢山いて、今までの所とは生態系が一気に変わった気がしました。九州でいうと宮崎とか鹿児島とかのイメージです。(現に緯度が近いですしね!)

足摺岬を後にすると、この日の宿のある愛媛県の愛南町へ向かいます。愛南町は高知県の宿毛から県境を超えてすぐの所にあり、田舎らしい風情のある所です。今まで徳島・高知と都心部に泊まってきたので、こういう所はとても落ち着きます。ホテルのスタッフさんもとても暖かく、宿代も安いのに料理がボリュームたっぷりで美味しかったのでとても驚きました。すぐそばに温泉もあり、この旅念願の温泉デビューも果たしました。(笑)


4日目。この日は国道56号を宇和島まで北上した後、西側へ進路を変えて山へと向かいます。以前来たルートと一部かぶってしまうのですが、まずはもう一度来たいと思っていた四国カルストへ!しかし…ついてみるとまさかの濃霧が!(笑)

今回の台風は、台風一過と言う物が無いようです。楽しみにしていたのですが、こればかりは仕方ありません。またいつかトライしてみることにして、カルストを後にしました。

その後以前いい温泉だなと印象的だった、寒風山トンネルのそばにある木の香温泉のある道の駅に行きました。ここで昼食にしたのですが、温泉だけでなく食事もレベルが高く、ここはまた是非来ようと決めました。今回は温泉に入れなかったので、次回は温泉+食事ですね!

さて、おいしい料理を食べたところで、この道の駅のすぐそばから入れる知る人ぞ知る瓶が森林道へと向かいます。高度の高い所を走り、四国で信州のアルプスの様な風景が見える絶景道路だとのことで、この旅で一番期待していたのですが、カルストであの天気だったので正直眺望は望めません。しかしどうしても行きたいので行ってみたところ…終止こんな感じでした。(笑)

それでも山を下り始めて暫くすると、天気も徐々に回復し、木漏れ日のさす気持ちのよい風景が見られました。

高所での眺望はゼロでしたが、これで次回また来る理由が増えたのでよしとします!

山を下りると国道11号に乗り、松山へ向かいます。この日の宿は、あの有名な道後温泉のホテルです。到着したのは、18時頃だったでしょうか。

道後温泉にしては良心的な価格の宿だったのに、部屋まで荷物を持って案内されたのでいきなりビックリ!いつも安い宿に泊まっているのがバレますね。(笑)

ホテルにも温泉はあったのですが、ホテルで浴衣やタオルなどのセットを無料で貸して貰えたので、予定していた道後温泉本館へ向かいました。

流石観光名所!連休のパワーもあり凄い人だかりです。しかしホテルの人に聞くと今が一番空いている時間だそう…。混んでいるのは早朝とか夕食前とかなんだそうです。やっぱりお風呂なんですね〜。折角きたので入浴だけではなく、部屋を貸し切って休憩することが出来る霊の湯三階個室を予約。30分ぐらいの待ち時間で中に案内されました。

建物の歴史や浴槽の説明などを受け、いよいよ個室へと案内されます。何やら狭い階段を上ると、風情のある廊下へと出ました。この廊下の両脇に個室があるようです。うーん、何かどこかで見たことあるような風景です。

個室は2時間制で、2種類の好きなお風呂に入れます。人も多かったので私は霊の湯だけしか入りませんでしたが、温度も高めで体にしみるお湯でした。癖の無い温泉です。お風呂からあがって個室に戻ると、お茶とお茶菓子(坊ちゃん団子)が用意されていました。

ちなみに私はお茶を飲む前に愛媛の100%みかんジュースを頼んで一気飲みしました。これ、オススメです。(笑)

さて、帰りがけに2階の広間(個室ではない休憩所)を覗いて確信したのですが、『千と千尋の神隠し』の舞台にそっくりですね!…と思って調べた所まさにここがモデルとなっているそうです。アニメほど広い建物ではないですが、そういう目線で見るとまた面白みがあります。

温泉から出ると時刻は22時。もう周囲のお店は閉まっていたので、10分ほど歩いたところにあったうどん屋に入りました。そういえばここはうどん県ではないですが、讃岐うどんを美味しくいただきました。(笑)

その後ホテルに戻って熟睡!旅もいよいよ明日で最終日です。


5日目。最終日のこの日は、岡山空港を目指します。フェリーのダイヤもあって6時半にはホテルを出発しました。しまなみ海道をそのまま渡っても良かったのですが、以前原付で渡っていることもあり、また車だと最短距離の高速道路しかないことから、しまなみ海道は大三島まで、大三島からはフェリーで岡村島へ、その後とびしま海道を利用して広島へと上陸するルートを選びました。

利用客が少ないのかフェリーの本数も少ないので、出航時刻に遅れないかなかなかヒヤヒヤしました。岡村島についてからは本州まで全て橋がつながっており、まったりとした島の雰囲気を感じることが出来ます。

本州に上陸したのは10時頃。14時には知人と広島で別れることになっていたので残り4時間しかありませんでしたが、少し寄り道をして宮島(厳島神社)へ向かいました。以前来れなかったためどうしても来たかった所の一つです。こちらはお盆の影響で道中大渋滞していましたが、運良くフェリー乗り場の近くで駐車場が空いたので、すんなりとフェリーに乗船。厳島へ上陸しました。

本当はもっとゆっくり見たかったのですが、時間がないのと雨が降ってきたため一周して退散。定番の風景とお参りだけは押さえてきました。海に浮かんでいる鳥居も綺麗ですが、今度は干潮の時にいってみたいですね〜!

ところでこの辺りは穴子が有名らしく、実は事前にフェリー乗り場の近辺で穴子めしが有名な所をチェックしておいたのですが、あいにく大混雑で数時間待ちとのこと…。弁当を買って車の中で食べるつもりでいたくらいなので待っている時間はなく、隣のお店で穴子弁当を注文しました。それでも30分近く待ち、食べる間もなく広島駅へ急行!知人と別れてから一人で穴子弁当をほおばりました。気になっていた有名店ではなかったですが、しっかり味がついていて美味しかったです。

後は空港へ向かうだけなのですが、ナビによると帰りの飛行機までの時間がギリギリで、雨脚も強くなっていたので道の選定でかなり迷ったのですが、少し遠回りをして中国自動車道経由で岡山へ向かいました。中国地方の内陸(山ですが)を走ってみたいという思いからこちらを選んだのですが、あいにくの雨で…でも山間部は遮音壁などもなく晴れていれば景色が良さそうな所が多かったです。いつか晴れの日に走ってみたいものです。こうして岡山空港についたのは18時半ごろ。19時過ぎの飛行機だったので、結局ギリギリでした。(笑)

こうして5日間で走ったのは、1585kmほど。一日平均すると300kmちょっとですが、時間単位に換算すると結構走った気がします。雨が降ると車は楽で良いですが、でもやっぱりまたいつかバイクで来てみたい。四国はそんなところでした。

未踏の地、残すは沖縄のみとなりました。今から楽しみです!